「桃太郎」を知らないこどもが増えている?「鬼退治に持っていったものは?」の答えは?

今の子どもたちは「桃太郎」を知らない?

以前読んだ記事ですが、桃太郎を知らない子どもが増えているとのこと。

「昔話を知らないといけないの?」と言われると、答えに困りますが、古くから語り継がれていたお話がだんだん子ども達の記憶から去っていくのかと思うと、非常に残念ですね。

何も昔話が良くって、今の絵本が良くないという気はさらさらありません。

桃太郎を知らない子どもたち

どうしても、「ぐりとぐら」などの定番絵本を思い浮かべてしまいますが、若い作家さんの絵本も好きなものはたくさんありますから。

それに、みんながよく知っている「アンパンマン」だって、初めて描かれたのは1973年ですから、今から47年も前なんです。

バーバラ・クーニーなど海外の「古き良き時代の絵本」も好きだけど、現代作家の作品も好き。

なので、「古いから良い」ということではなく、「昔から読みつがれている物語も、大事に次世代につなげて欲しい」というところかな?

まあ、私の周りでは、「桃太郎」や「したきりすずめ」などの昔話を好んで読み聞かせ
されているお母さんとかたくさんいらっしゃるので、統計だけで判断してしまうのも、
あまり良くないことですが・・・

古いものも新しいものも「良いものは評価される」時代でありたいですね。

アンパンマンは暴力的?クレヨンしんちゃんは下品?

と書いていたら、最近は「アンパンチが暴力的だからうちはアンパンマンは見せない」というお母さんがいらっしゃるとのこと。

確かに、パンチ自体は暴力と言われても仕方がないですが、そこだけを切り取って「暴力的」というのはちょっと違うのかな?と。

とは言え、子供の教育は、極端に間違ったことでなければ、ある程度その家の方針というものがありますから、「暴力的」と思うのなら、見せないという選択肢もありますよね。

私としては、男の子二人育てた経験から言って、「アンパンマンを好きで観ていたからと言って、特に暴力的になったことは無い」と言い切れますが。

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そう言えば、知り合いに、「ドラえもんは、ジャイアンがいじめっ子だから、将来いじめるような子になってはいけないので見せない」というお母さんが居ました。

あと、クレヨンしんちゃんも、「お尻を出したり下品だから」という理由でダメ。

絵本で言えばセンダックの「かいじゅうたちのいるところ」も、「かいじゅうがリアルで怖そうだから」ということで、見せないのだとか。

そうなると、あまりにも親が最初に選別し過ぎて、子供の選ぶ余地が無くなるのでは?と思いますが、教育方針だと言われれば、とやかくは言えませんね。

ネットでは、「親がしつけられないから、アンパンマンのせいにしている」という批判も多いのですが、そういうことでは無いんです。

何が良い悪いではなく、「子どもがどうしたいのか?」「子どもにとっては、どうするのが良いのか?」を真剣に考えるべきなのでは?と。

聞くところによると、最初に「暴力的」と発信したのは、子育てに疲れたお母さんで、心身ともに疲れている中、子どもがアンパンチを浴びせてくるから、ということらしいです。

だとすれば、暴力的かどうかの議論よりも、そこまで心身ともに疲れ果てた状態で子育てしなければならない、今の子育て事情が、一番問題なのでは?と思います。

桃太郎の腰に付けているのは何?

追記:こんなヤフー記事を見つけました。

鬼退治のとき腰につけていたのは?「惜しい」回答続出の理由 絵本「ももたろう」持っている家庭、36%に(ヤフーニュースから引用)

「昔話の絵本を持っている家庭の割合など、昔話と家庭の関係についての調査を続けている研究者がいます。
1990年から10年ごとに実施している第4回調査では、昨秋、昔話の絵本を持っている家庭の割合が、30年前の83%から36%に減少していることがわかった。
昔話の絵本がないことで生まれた新しい文化は、スマートフォンなどのデバイスで「読み聞かせ」をする令和ならではの子育てだったのです。」

ということ。

調査を続けていらっしゃるのは、筑波大学の徳田克己教授と水野智美准教授で、"前回の調査までは、童話や昔話の人気が低下する現象が進んでいると判断していましたが、貸出制度の充実や様々なコンテンツの活用により、童話や昔話が人々に親しまれるようになってきていると考えています。

「DVDやデジタル絵本の台頭により、童話や昔話が「身近なものに戻ってきている」と思います。
その一方で、作品の内容に対する理解度の高さが懸念されています。」

例えば、「桃太郎が鬼退治に行ったとき、腰につけていたものは?例えば、「桃太郎が鬼を退治しに行ったときに腰につけていたものは何か」という問題では、「ケーキ」や「パン」など、問題とは関係のない答えもありましたが、今回は「丸いもの」や「お餅」などの「近い答え」もありました。

つまり、正解である「きびだんご」が何かわからないまま雰囲気で覚えられている可能性があるのです。

長年調査を続けられているからこそわかる「読み聞かせの変化」がそこにある、という感じですね。

家の中に「紙の絵本」として昔話が置いてあることは少なくなったけど、図書館や幼稚園で読み聞かせをしてもらったり、DVDやスマホなどのデジタルを通して、昔話や童話に触れる機会は、ひところに比べたら多くなったのではないか?

という点は、私も同感で、他にもテレビやユーチューブなどの動画配信でも、さまざまなお話に触れるでしょうから、中にはアニメとして認証されている昔話や童話もあるかもしれません。

「親が子どもに絵本を読み聞かせるとき、子どもが理解できないことを親が説明することはあっても、映像のように対話が発生しないツールでは、子どもが物語の詳細を理解することは難しくなります。

また、「桃太郎と一緒に鬼退治に行ったのは誰?という質問に対して、「カラフルな鳥」「『かね』と鳴く鳥」「口の長い鳥」など、「桃太郎と一緒に鬼を退治しに行ったのは誰?」という回答も同じ理由だという。」

今の子どもは桃太郎を知らない?

なるほどね。

私達大人にも言えることですが、何かを知ろうと思って調べると、すぐに回答や映像が出てくる現代って、苦労して知識を手に入れてない分、記憶も希薄になる危険性があります。

だから「子どもに与えるのは危険だ」ということではなく、時代と共に「絵本の読み方」も変わり、現代の読み方に足りないものは?と常に考えて、補ってあげることが大切なんだと思います。

「40年間、子どもと童話・昔話の関係を調査してきた徳田教授は、「実は、昔話をすべて残す必要はないと思っています」と言う。」

の言葉のように、「何がなんでも昔のものを残すべき」ということではなく、「残るものは残るし、消えていくものもある」と流動的に捉え、「子どもたちの成長に必要なものは何?」

ということを、第一に考えていく必要があるんですよね。

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