窓ぎわのトットちゃん:感動の名作が映画化!声優を務めるのは?

2023.10.04
先日、アニメーション映画『窓ぎわのトットちゃん』の追加声優が発表されました。

役所広司さん、小栗旬さん、杏さん、滝沢カレンさんなどが声優として参加する、という豪華さ。

本作は、黒柳徹子が自身の幼少期を自伝的に描いた『窓ぎわのトットちゃん』をアニメーション化したもので、日本だけでなく世界各国で愛されるベストセラー作品です。

「窓ぎわのトットちゃん」アニメーション映画に

物語は、小学1年生のトットちゃんが通うトモエ学園での出来事を描いており、役所広司さんはトモエ学園の校長、小栗旬さんと杏さんは、トットちゃんのパパとママを演じるんですね。

トモエ学園は、かつて東京都目黒区自由ヶ丘(現在の自由が丘)に存在した私立幼稚園・小学校(旧制)で、リトミック教育を日本で初めて実践的に取り入れた学校として知られています。

トットちゃんは、前の学校から「みんなに迷惑をかけるから」という名目で追い出され、トモエ学園に入学したのですが、この学校が無かったら、トットちゃんこと黒柳徹子さんの個性は、ここまで伸びなかったのではないか?と思ってしまいます。

それほど、素晴らしい教育を、この学校ではしていた、ということ。

ここで、映画の原作となる、黒柳徹子さんの自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』についてご紹介しましょう。

『窓ぎわのトットちゃん』は、1981年に出版され、日本国内で800万部、全世界で2500万部以上を売り上げたベストセラーとなっています。

「窓ぎわのトットちゃん」はベストセラー作品

この小説は、著者である黒柳徹子さんが通った小学校トモエ学園での日々を描いた自伝的作品。

物語は、トットちゃんが通うトモエ学園の校長である小林先生が、転校前の学校ではなじむことができず「困った子」と言われ落ち込むトットちゃんに手を差し伸べ、トモエ学園の生徒として迎え入れるところから始まります。

小林先生は当時では異色ではあったものの、豊かで自由な考えを生徒たちに教える独自の教育方針を持っていました。

私も、原作は何度も読んでいますが、「この時代に、こんなに柔軟で、子どもたちのことを第一に考えた教育者が居た」という事実に驚かされ、自分が受けていた教育が、どんなに型にはまったものかを思い知らされましたね。

特に、生徒がやりたい勉強を優先させてくれて、後に有名な科学者になった男の子は、常に実験をしていた逸話など、びっくりを通り越して羨ましかったですよ。

もしかしたら、昔の方が自由だったのかもしれない、いや、抑圧されていたからこそ、反発する力が強かったのかもしれません。

映画『窓ぎわのトットちゃん』は、この小説をもとにしたアニメーション映画化され、2023年12月8日に公開される予定ですが、原作の良さをどのように料理して伝えてくれるのか?ものすごく興味があります。

声優を務める俳優さんたちの豪華さから考えても、この映画に、みなさんがどれだけ力を入れて製作されているのかが、わかります。

映画も、トットちゃんが通うトモエ学園の校長である小林先生(役所広司さん)が、転校前の学校ではなじむことができず「困った子」と言われ落ち込むトットちゃんに手を差し伸べ、トモエ学園の生徒として迎え入れるところから始まります。

学園内に電車の教室を設置したり、お弁当の中身に「海のものと山のもの」を入れるように指示したりと、小林先生は当時では異色ではあったものの、豊かで自由な考えを生徒たちに教える独自の教育方針を持っていたんですよね。

「窓ぎわのトットちゃん」の時代の小学校

みなさんも、この映画を観たり原作を読めば、「この素晴らしい教育理念を受け継いだ学校は無いのか?」と思うでしょう。

子どもが居れば、「是非、そんな学校に自分の子どもを通わせたい」と願う人も多いのでは?と思います。

トモエ学園は、1937年に設立され、大正時代に流行した「大正自由主義教育」の影響を受けて、子ども中心の教育方針を掲げ、リトミックを取り入れたことで知られています。

この教育方針は、従来の画一的な教育スタイルにとらわれず、子どもたちの自己表現や創造性を大切にするものでした。

トモエ学園の授業では、子どもたちが自由に表現することが奨励され、それぞれが自分らしい個性を発揮することができました。

現在は存在しませんが、同じ教育方針を実践する学校や、大正自由主義教育を継承する私立学校は、全国に存在する、ということ。

だけど、中には、学校として認可されないほどの小規模運営をしている学校もあるんですね。

小規模だからこそ、理想的な学校運営ができるのでしょうが、無認可となると、さまざまな壁が立ちはだかるのです。

うーん、やはりここでも「理想と現実」のギャップに悩まされますね。

とは言え、少しづつでも良いので、「どうしたら子どもの個性を伸ばすことを優先させることができるのか?」を真剣に考えられる世の中になれば、小林先生のような教育者も現れるのではないか?と思うんですよ。