凍ったフロントガラスにお湯をかけると危険？その理由は？

凍ったフロントガラスにお湯はNG！冬の朝に知っておきたい安全対策

寒い冬の朝、車のフロントガラスが凍結しているのを見て、ついお湯をかけて溶かそうとしたことはありませんか？一見手軽で効果的に思えるこの行為、実は走行中のガラス破損を引き起こす危険な行動なのです。この記事では、冬の凍結対策として知っておきたいポイントを解説します。

寒い朝にフロントガラスが凍っていると、早く溶かして出発したいという焦りが生じます。しかし、凍ったガラスにお湯をかけると、急激な温度変化による熱膨張でガラスに亀裂が入るリスクがありす。特にガラスに傷がついている場合、その部分から割れが広がる可能性が高まります。

さらに、路面が凍結している場合、お湯が流れ落ちて地面をさらに滑りやすくする恐れも。安全のためにも、お湯を使った解氷は避けるべきです。

日本自動車連盟（JAF）が長野県で行った実験によると、フロントガラスの凍結を防ぐためには、専用カバーをかけることが最も効果的であると判明しました。専用カバーは、ガラスを直接冷気や霜から守り、凍結そのものを防ぐため、朝の手間を大幅に軽減します。

また、撥水剤をガラスに塗布しておくことで、凍結後の対応もスムーズになります。撥水剤を使うと、ガラス表面が滑らかになり、スクレーパーで氷を削り取る際の負担が軽減されるのです。

すでにフロントガラスが凍結してしまった場合、以下の対策が有効です。

まず、車のデフロスター（フロントガラス用の暖房機能）を使用する方法があります。これにより、ガラスを内側から徐々に温めて氷を溶かします。ただし、この方法には10分程度の時間がかかるため、忙しい朝には不向きな場合があります。

一方、解氷剤を使用すれば、わずか1分ほどで視界を確保できます。解氷剤にはアルコールが含まれており、これが氷を素早く溶かす鍵となります。さらに、アルコールは0度以下でも凍らないため、溶かした後の再凍結を防ぐ効果も期待できます。これが通常の水と異なる解氷剤の大きな利点です。

何の対策もしていない場合、スクレーパーだけでフロントガラスの氷を完全に除去するのは困難です。特に厚い氷が張った場合、削り取るのに時間がかかり、完全に視界を確保することができないケースもあります。視界が不十分な状態での運転は、事故のリスクを高めるため非常に危険です。

そのため、普段から凍結防止対策を講じておくことが重要です。

「雪が少ない地域だから凍結の心配はない」と思っていませんか？実際には、寒波の影響で突然気温が低下し、思わぬ凍結に見舞われることがあります。特に朝晩の冷え込みが厳しい時期は、路面やフロントガラスの凍結が起こりやすくなります。

こうした状況に備え、専用カバーや撥水剤、解氷剤を活用し、日頃から対策を講じておくことで、冬の朝のストレスを大幅に軽減できます。

フロントガラスの凍結は、冬のドライバーにとって避けられない問題ですが、正しい知識と対策を身につければ、安全で快適なドライブを楽しむことができます。お湯をかけるといった危険な行為は避け、専用カバーや解氷剤などを活用して、冬の朝の時間を有効に使いましょう。

これから寒さが本格化する季節。この記事で紹介した方法を参考に、安心して冬の道路を走行してください。