2026年前期の朝ドラ『風、薫る』のヒロインに見上愛が選ばれた理由は？

女優・見上愛、朝ドラヒロイン決定！涙の会見で語る熱い想い

2026年前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』で、女優の見上愛がヒロインを務めることが発表されました。1月24日にNHK局内で行われた記者会見では、見上が涙ながらに喜びと意気込みを語り、感動の瞬間を迎えました。

文明開化の風が吹く明治を舞台に描く“トレインドナース”の物語

『風、薫る』は、文明開化が進む明治時代を舞台に、西洋文化と共に日本へ伝わった看護学に焦点を当てた作品です。当時、女性の職業がまだ確立されていなかった中、正規に訓練を受けた看護師たちは「トレインドナース」と呼ばれ、新しい時代の医療看護の基盤を築きました。

この物語は、看護学を学び、同じ看護学校を卒業した二人の女性、大関和（おおぜきちか）と鈴木雅（すずきまさ）をモデルにしたフィクションです。考え方や生き方がまったく異なる二人が、患者や医師との向き合い方に悩み、衝突しながらも成長していく姿を描きます。最初は反発し合う二人ですが、やがて“最強のバディ”となり、新しい時代の扉を開いていく感動のストーリーです。

脚本を手掛けるのは、『あなたのことはそれほど』『初めて恋をした日に読む話』『病室で念仏を唱えないでください』などで知られる吉澤智子。深い人間描写と心に残るセリフが得意な彼女が、どのようにこの物語を紡ぐのか期待が高まります。

涙のヒロイン決定、見上愛の熱い想い

主人公の一人、一ノ瀬りん役に決定した見上愛。これまで何度も朝ドラのオーディションに挑戦してきた彼女にとって、この役は念願の実現でした。会見の冒頭から涙を見せた見上は、感極まった様子で語りました。

「これまで、あまり夢や目標を決めずに仕事をしてきました。それは、いろんな出会いに制限をかけたくなかったからです。でも、朝ドラのオーディションに挑戦するたびに、自分の中で“どうしても出たい”という思いがあったことに気づきました。このドラマが多くの人の朝を素敵に彩り、1日の始まりを明るくするお手伝いができるなんて、本当に光栄です」と、出演への喜びを語りました。

制作陣が語る見上愛の魅力とキャスティング理由

見上が今回の役を得たのはオーディションではなく、制作陣からのオファーでした。その背景について、制作統括の松園武大氏は次のように語りました。

「大河ドラマ『光る君へ』でご一緒した際、藤原道長の娘・彰子を演じていただきました。最初は感情を抑えた役柄でしたが、ドラマ終盤ではゴッドマザー的な存在感を見事に表現されました。彼女の役への真摯な向き合い方、豊かな表現力、そして自然と目を引く存在感に心を打たれました。また、フランクでチャーミングなお人柄も魅力で、今回の一ノ瀬りん役には彼女しかいないと確信しました」と、キャスティングの理由を熱く語りました。

見上愛が目指す現場の空気と作品への想い

会見で、役への意気込みを問われた見上は、共演者やスタッフとの関係性を大切にする姿勢を示しました。

「ここ数年、現場で誰も嫌な思いをせず、心地よく働ける環境を作るにはどうすればいいかを考えながら仕事をしてきました。みんなが良い作品を作りたいという思いを持ち、気持ちよく働くことが、結果的に作品にも良い影響を与えると信じています。このドラマでも、その温かさや熱意、優しさが視聴者に伝わるような作品を作りたいです」と、強い思いを語りました。