伝説のアイドルグループが紡ぐ“7つの答え”
2025年1月5日からWOWOWで放送が始まったドキュメンタリー「7 S.T.A.R.S. ~7つの答え~ 佐藤アツヒロが繋ぐ光GENJIの現在(いま)」。かつて一世を風靡した光GENJIのメンバーたちに佐藤アツヒロが会いに行く、本格的なドキュメンタリーだ。全7話で展開されるこの番組は、彼らの解散から30年という節目の年に放送されることもあり、大きな注目を集めている。
このドキュメンタリーの企画がどのように生まれ、どのような想いで制作されているのか。番組プロデューサーの小林慶吾氏に話を聞いた。
佐藤アツヒロの情熱が生んだドキュメンタリー
番組の企画が持ち込まれたのは、佐藤アツヒロと制作会社のプロデューサーからの連絡がきっかけだった。
「最初は光GENJIが再結成してライブを行うのかと思いましたが、話を聞くとドキュメンタリー企画だと分かり、少し驚きました。しかし、純粋に面白いと思いましたし、アツヒロさんの強い想いを感じたので、そこから何度も打ち合わせを重ねて企画を練りました」
光GENJIの再結成はファンにとって大きな夢だが、この番組が追うのは“再結成”そのものではないという。
「再結成をお願いしているわけではありませんし、密約のもとで進行するような予定調和のドキュメンタリーを作るつもりもありません。解散から30年、メンバーが50代になった今、それぞれの思いを探ることに意味があると考えています」
この企画がWOWOWで放送される意義についても、小林氏は強調する。
「光GENJIというアイドルグループが持つ影響力、そしてファンが今も抱く想い。それらを考えると、ただの懐かしさではなく、現在進行形の物語として伝えられるべきだと思いました」
“予想外”こそがドキュメンタリーの魅力
このドキュメンタリーは、すべてが計算されたものではなく、あくまでリアルな“今”を映し出す。
「ドキュメンタリーとは、想定外の出来事こそが価値になります。台本通りに進むのではなく、メンバーそれぞれの本音をありのままに映し出すことが大切です。どんな考えや答えが出てもいいし、不安定な状態で進むことをポジティブに受け止めています」
特に印象的なのは、佐藤アツヒロがブレることなく、自身の想いを貫いている点だという。
「アツヒロさんが持つ信念がしっかりしているからこそ、制作チーム全体の動きもまとまっています。彼の旅の中でどんな出来事が起こるかは分かりませんが、そのすべてを記録し、しっかりと紡いでいくことがこの番組の魅力になると思っています」
覚悟を持った言葉を伝える責任
この企画の大きな特徴の一つが、「本人たちの言葉を大切にする」というスタンスだ。
「カメラの前で語られる言葉は、本人が覚悟を持って発したもの。だからこそ、その言葉を簡単に編集したり、ニュアンスを変えたりすることはできません。ドキュメンタリーとしての本質を守るために、その言葉の重みを尊重しています」
特に光GENJIというグループに関しては、メンバーそれぞれの考えや関係性が複雑に絡み合っている。それだけに、一言で状況が大きく変わる可能性もあるという。
「だからこそ、番組が進むにつれて難しい局面も出てくるでしょう。でも、それがこのドキュメンタリーの醍醐味でもあります」
シンプルな演出が生む“本物”の空気感
初回放送では、余計な演出を排したシンプルな作りが印象的だった。
「派手なテロップや効果音を多用せず、じっくりと視聴者に楽しんでもらえる作品を目指しています。あえて“引き算”の演出を心がけることで、佐藤アツヒロとメンバーの言葉や空気感を大切にしています」
そして、2月11日に放送予定の第2話では、赤坂晃が登場する。
「赤坂さんとの会話はとても和やかで、率直に本音を語り合う場面が多かったです。二人の言葉の中に、30年という時間を経た今だからこそ言えることが詰まっています」
“過去”ではなく“現在”を映し出す物語
この番組は、単なるノスタルジーではなく、光GENJIのメンバー7人が現在どんな答えを持っているのかを探る旅だ。
「解散から30年経った今、それぞれがどんな思いを抱えているのか。アツヒロさんの問いかけに、どんな答えが返ってくるのか。そのプロセスを追うこと自体がドラマなんです」
佐藤アツヒロが紡ぐ“7つの答え”は、光GENJIを愛したすべての人にとって特別な意味を持つに違いない。今後の展開から目が離せない。