1985年に公開され、映画史に革命を起こした『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。2025年で40周年という節目を迎えるにあたり、シリーズ3作品が地上波で3週連続放送されることが決定した。さらに、新たな吹き替え声優として宮野真守と山寺宏一という豪華キャストが起用される。この放送を機に、新たな世代が作品に触れることになるだろう。
映画の枠を超えた大ヒット!ミュージカル版も世界で成功
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は映画だけにとどまらず、ミュージカル化され、イギリスやブロードウェイで大成功を収めた。現在も世界各地で上演が続いており、映画の持つ普遍的な魅力が改めて証明されている。物語の面白さやキャラクターの魅力が、映像作品の枠を超えて人々の心をつかみ続けているのだ。
主演マイケル・J・フォックスの出世作!彼の魅力とは?
マーティ・マクフライを演じたマイケル・J・フォックスは、当時24歳ながら高校生役を見事に演じ、一躍スターとなった。日本では映画公開前は彼の知名度は低かったが、アメリカではドラマ『ファミリータイズ』のアレックス・キートン役で既に人気を得ていた。しかし、そのドラマは当時日本では放送されておらず、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公開後の1986年にようやく日本でも放送が開始された。
マイケルの魅力は「チャーミングさ」にあった。スケートボードを乗りこなし、ギターも演奏できるだけでなく、単なる「良い子」ではなく、やんちゃさと温かみを兼ね備えたキャラクターが観客の心をつかんだ。小柄な体型もあり、高校生役が違和感なくハマったことも成功の一因だろう。
苦労の末に掴んだ成功!意外なキャスティング秘話
マイケル・J・フォックスのキャリアは順風満帆に見えるが、実は多くの苦労を乗り越えてきた。カナダの高校を中退し、アメリカへ渡ってようやくチャンスをつかんだ彼は、『ファミリータイズ』の主役も当初はマシュー・ブロデリックがキャスティングされていたが、映画とのスケジュールの兼ね合いで降板したため、代役として抜擢されたのだ。
また、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主役も、当初はエリック・ストルツが演じていた。しかし、ロバート・ゼメキス監督が「何かが違う」と感じ、念願だったマイケルに交代。結果として、この変更が大成功を収めることとなった。
続編も大ヒット!コメディが彼の真骨頂
1989年には『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』、1990年には『PART3』が公開され、いずれも大ヒットを記録。マイケルはその後もコメディ作品を中心に活躍し、『摩天楼はバラ色に』などでもその魅力を発揮した。一方でシリアスな役にも挑戦し、俳優としての幅を広げていった。
突然の病の宣告――30歳で「パーキンソン病」に
順調にキャリアを築いていたマイケルだったが、30歳のときに「パーキンソン病」と診断される。これは通常50代以降に発症する病気で、手足のしびれや脳の機能低下を引き起こす。彼は主演を務めていたドラマ『スピン・シティ』を降板せざるを得なくなり、1998年に自身の病気を公表。その後の彼の人生は、大きく変わることとなった。
病との闘い、そして世界への貢献
マイケルは病を公表するまでの間、アルコール依存症に陥り、妻のトレイシー・ポラン(1988年結婚)にも真実を伝えられずに苦しんだという。その後、2000年には「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」を設立し、病気の研究と治療法開発のための活動を続けている。
2020年には二度目の引退宣言を発表。著書『No Time Like the Future: An Optimist Considers Mortality』の中で、骨髄手術を受けたことを明かし、再び演技の仕事が難しくなったと述べた。しかし、彼は決して諦めることなく、作家としての活動や財団の運営を続け、病と闘いながら前向きに生きている。
2025年、再び『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が蘇る!
2020年には、映画の悪役ビフのモデルとされるドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任していた時期に、金曜ロードショーでシリーズ3作品が3週連続で放送された。そして2025年2月、トランプ氏が2期目を迎えるタイミングで再び放送されることが決定した。時代を超えた名作として、多くの視聴者に新たな感動を届けることになるだろう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、脚本のクオリティの高さ、キャストの魅力、時代を超えたテーマ性が見事に融合した作品だ。初めて見る人も、久しぶりに再視聴する人も、その完成度の高さを改めて実感するはずだ。そして、マイケル・J・フォックスという俳優の輝きは、決して色褪せることはない。