2023.09.24
ドラマ「最高の教師」、ついに最終回を迎えてしまいました。
まだ観ていない方にとっては「ネタバレ」な部分が多いですが、一話からずっと観てきた私にとって、特別なドラマになりそうなので、記録するということでも、是非書いておきたいと思います。
まず、最終回の内容から
「日本テレビ系の土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(毎週土曜よる10時~)の最終話が、女優の松岡茉優が主演を務める中、23日に放送されました。
この作品は、プロデューサーと監督が手掛ける新しい時代の学園ドラマであり、松岡が演じる物語の主人公は、3年D組の担任・九条里奈です。
卒業式の日に「担任生徒の誰か」に突き落とされ、命を落としたと思われましたが、タイムリープして一年前の始業式の日に生き還ります。
1年後、自分を殺害した「30人の容疑者」と向き合いながら、教室、人生、その全てを覆し命がけで生徒に向き合っていく里奈は、まるで人が変わったようになりました。
最終回では、里奈を突き落とそうとした犯人が星崎透だったことが明らかになりました。
彼は周りとは異なる存在であり、自分自身が空虚な存在であると感じていたため、里奈を殺してから自殺するつもりだったのです。
しかし、里奈との対話や生徒たちの言葉によって、2人とも死を回避することができ、ハッピーエンドだと安心しました。
と思われた矢先、D組に危害を与え続けていた浜岡省吾が里奈を逆恨みしてナイフで刺し、里奈は倒れ込んでしまいました。
だけど、朦朧とした意識の中で、いじめに苦しんで命を落とした鵜久森叶から「先生にバトンを託します。過去の私のような生徒が生まれない教室に、無自覚に人を傷つける世界を少しでも変えてくれることを」という言葉を思い出しながら……」
いやー、本当に、最後の最後まで安心させてくれませんでした。
あの星崎くんが生徒たちに肩車(?)されて、クラスのみんな楽しそうに歩いていく様子を見て、「良かった」と涙して見ていたのに、その後予想外の展開に、思わず息を呑んでしまいました。
せっかく助かったと思ったのに、里奈が、あの浜岡に殺されてしまうのか?と絶望的な気持ちになりましたが、助かって良かった!
しかし、芦田愛菜ちゃんに始まって、加藤清史郎くん、そして最終回の奥平大兼くんの長台詞は、ビシビシ胸に迫ってくるものがありました。
学園モノだから生徒なんだけど、年令問わず、人間ってこんなにもいろいろなことを考え、悩み、歩く方向を見失うんだ、ということ。
それでも歯を食いしばりながら生きていくんだけど、時に過ちを犯してしまったり、見て見ぬふりをして知らぬ間に共犯者になってしまっている、んですよね。
まだピュアで、自分に自信が無い世代だからこそ、その苦悩から立ち直るのには時間がかかります。
今の時代の「生きにくさ」をそのまま高校という社会に当てはめて、「このままじゃいけない」と訴えかけているようにも感じました。
本当に、こんな時代だからこそ、みんなが「人生二週目」になった気持ちで、真摯に生きなければいけないですね。
私と同じように、皆さん、いろいろな感想を持って観ていたようです。
一部、ご紹介します。
「現場の先生が子どもたちの問題に向き合う時間がないことによりさまざまな問題が起こる。
例えば、中学生の頃に一生懸命頑張っている生徒を他の生徒たちが笑っていた。
このような見て見ぬふりの世の中は虚しく、子どもたちにとって生きづらさもある。
そんなことを思い出してしまった。」
「始めから最後まで視聴していました。本当に素晴らしいドラマでした。
鵜久森さんが亡くなったことは悲しかったけど、ドラマには強いメッセージが込められていたと思います。
彼女の人生から多くの生徒が学び、あの星崎君も彼女の死に悲しみを表明していました。
彼らは鵜久森さんを決して忘れないでしょう。
九条先生が生きていて本当に良かったです。
浜岡のような救いようのない人間もいることを示し、若い人たちにはそのようになってはいけないことを教えました。
全員が自分自身を変え、九条先生が生徒たちに託された望みが叶ったことは本当に良かったです。」
「このドラマは、現代の子どもたちが抱える問題を教師の説教ではなく、現実を伝え自分で考えることを促すことで描いた秀逸な作品。
最終回では、サイコパスの人格をもつ子どもを取り上げ、少しでも変えられる可能性を示した。
現実とは違うが、子どもと教師の姿を新しい切り口で描いたと思う。」
「自分がおかしいと思っても、多数派が違うと思ったら自分がおかしいのかと思ってしまう。
しかし、鵜久森さんの言葉で変わり、生きていけば世界は変わると信じる。
立ち上がらないのは自分自身の弱さである。
あと、里奈の親友夏穂(サーヤ)が言った「身近な2人を助ければ、助けを求める数よりも助けようとする数の方が多くなる」が印象的で、そんな世の中が来ることを祈らずにはいられない。」
「ドラマの展開に引き込まれ、芦田愛菜さんの演技も満足できましたが、いくつか疑問が残りました。
星崎透の行動や浜岡省吾の動機、九条蓮の離婚の動機など。」
と、さまざまな意見や感想を読んでいると、同感するところもちらほらあって、みなさん、ドラマの世界に引き込まれて観ていたんだな、ということがわかります。
中には、「いじめ場面を観たくないので、キャストは魅力的だなと思ったけど、一度も観てません」という人も。
確かに、私もいじめを扱ったドラマは、最初から「観たくないな」と拒否反応を起こすところがあるのですが、それだけが理由で観ていないのだったら、観たほうがいいですよ、と言いたいドラマでした。
このドラマに限らず、観た後に余韻が残るドラマって貴重だな、と思うんですよね。