親子の絆を描く感動作、ついにストリーミングへ
吉沢亮が主演を務める映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が、2024年9月20日の劇場公開を経て、3月20日よりNetflixで独占配信されることが決定した。映画館で多くの観客を魅了した感動作が、ついに家庭でも楽しめるようになる。
ろうの両親と“ふたつの世界”を生きる主人公の物語
本作は、作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』を原作とするヒューマンドラマ。耳が聞こえない両親のもとで育った主人公・大が、“きこえる世界”と“きこえない世界”の間で葛藤しながら成長していく姿を描いている。
監督は『そこのみにて光輝く』で知られる呉美保。脚本は『ゴールド・ボーイ』『正欲』などを手がけた港岳彦が担当し、リアリティあふれる人間ドラマを紡ぎ出した。
吉沢亮が繊細に演じる“ふたつの世界”を生きる青年
主人公・大を演じるのは、日本を代表する俳優の一人である吉沢亮。彼は、ろうの両親のもとで育ち、音のある世界とない世界の間で揺れ動く大の心情を、繊細な演技で見事に表現した。セリフだけでなく、手話や表情、視線の動きまでを駆使し、観る者の心を揺さぶる演技を披露している。
また、大の両親役には、実際にろう者として俳優活動を続ける忍足亜希子と今井彰人が抜擢された。彼らのリアルな存在感が、作品の持つメッセージをより深いものにしている。
国内外で高評価!感動のロングラン上映
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、観客の心を打つ親子の物語として口コミで広がり、ロングラン上映を記録。特に、ろう者と聴者の間に生まれる“見えない壁”や、それを乗り越えようとする親子の姿が共感を呼び、多くの人が涙した。
国内外の映画賞でも高い評価を受けており、観る人によって異なる視点で感じ取れる作品として、映画ファンの間でも話題となっている。
Netflix配信でさらに広がる感動
劇場で大きな反響を呼んだ本作が、3月20日からNetflixで独占配信されることにより、より多くの人々がこの感動的な物語に触れる機会を得ることになる。ろう者の世界をリアルに描きながら、親子の普遍的な愛を映し出した本作は、多くの人々の心に深く刻まれることだろう。
劇場で見逃した人も、もう一度じっくり味わいたい人も、この機会にぜひNetflixで『ぼくが生きてる、ふたつの世界』を堪能してほしい。
吉沢亮が語る『ぼくが生きてる、ふたつの世界』撮影秘話??中学生役への挑戦と手話演技の難しさ
「30歳で中学生役は大変」??年齢を超えた演技への挑戦
映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で主人公・大を演じた吉沢亮は、本作で思春期の中学生時代から社会人になるまでの長い時間軸を演じ分けるという大きな挑戦に挑んだ。
特に難しかったのが、中学生時代の演技だという。吉沢は「今年30歳になる男が中学生をやるのは大変でした」と笑いながら振り返る。撮影では、監督の呉美保から「声を高くして。今のはちょっとおじさんぽいかも」と指摘されることもあったそうで、「全力で若返るつもりで演じました」と苦労を語った。
しかし、その努力の甲斐あって、観客からは「自然な中学生らしさが出ていた」との声が多く寄せられており、吉沢の演技力の高さが改めて証明された。
「手話演技の奥深さに驚いた」表情が持つ意味の重さ
本作で重要な要素のひとつとなったのが「手話」を用いた演技だ。吉沢は、ろうの両親を持つ主人公という役柄を演じるため、手話の技術を学ぶことになった。しかし、そこで彼が直面したのは、想像以上に奥深い手話の世界だったという。
「演技において、手話は眉毛の動かし方や顔の表情によって意味が変わってくるんです。ただ手の動きを覚えればいいわけではなく、実際に手話で生活している人々が使う自然な表現を習得するのはとても難しかったです」と吉沢は語る。
言葉の抑揚を声でつけられない手話の世界では、表情や視線が感情を伝える重要な要素になる。そのため、単なる手の動きだけでなく、感情をどう込めるかを徹底的に研究したという。
監督も絶賛「高いハードルを軽々と乗り越えた」
そんな吉沢の挑戦について、監督の呉美保は「この作品を吉沢さんにお願いし、快く引き受けていただいた時点で何も心配していませんでした」と語る。さらに、「リアルな世界観を作りたいと思い、まるでドキュメンタリーを見ているかのように表現したいとお話ししました」と、作品へのこだわりも明かした。
監督自身、吉沢にとってはかなり高いハードルだったことを理解していたが、「それを軽々と乗り越えて演じてくださり、感謝しています」とその演技を絶賛。リアリティを追求する中で、吉沢の演技が作品に大きく貢献したことがうかがえる。
吉沢亮が作り上げた“ふたつの世界”Netflixでその感動を再び
映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、主人公・大の成長を通して、“きこえる世界”と“きこえない世界”の間にある葛藤を丁寧に描いた作品だ。吉沢亮の圧倒的な演技力と、監督のこだわりが詰まった本作は、観る者の心を深く揺さぶる。
3月20日からNetflixで独占配信される本作。劇場で観た人も、まだ観ていない人も、吉沢亮が魂を込めて演じた“ふたつの世界”を、ぜひその目で確かめてほしい。