バレンタインに自分用チョコを買う女性が増加！高級チョコが高い理由は？

なぜ高級チョコレートは高いのか？その理由を徹底解説！

バレンタインの季節になると、店頭には華やかなチョコレートが並びます。しかし、いざ値段を見てみると、1粒数百円という価格に驚くこともあるでしょう。「たった1粒でこの値段？」と思う方も少なくないはずです。

日本で唯一のチョコレートジャーナリストである市川歩美氏の著書『味わい深くてためになる教養としてのチョコレート』（三笠書房）では、高級チョコレートの価格が高くなる理由について詳しく解説されています。この記事では、その内容をもとに、なぜ高級チョコレートは高いのかを深掘りしていきます。

ある日、高級チョコレート専門店で美しく並んだチョコレートボックスを見かけ、値段を見て「何と2,000円！」と驚いた経験はありませんか？特に男性からは「1粒で原宿から亀有まで行ける」という声も聞かれるほど、高級チョコレートの価格に驚く人が多いのが現実です。

日本では「板チョコ＝100円程度」というイメージが根強いため、1粒数百円するチョコレートは特別に高く感じられます。しかし、その価格にはしっかりとした理由があるのです。

高級チョコレートの価格が高くなる最大の理由の一つは、使用される原材料の品質です。職人たちは、選び抜かれたカカオ豆だけでなく、最高品質のフルーツやナッツ、お酒を使用します。

例えば、特定の生産者が育てた希少なイチゴや、特別な製法で仕上げたナッツを使用することも珍しくありません。こうした厳選素材は一般的なチョコレートとは一線を画し、唯一無二の味わいを生み出します。

また、高級チョコレートでは、カカオの産地や品種にもこだわります。中には、特定の農園でのみ栽培される希少なカカオを使用するブランドもあり、その分コストが上がるのです。

少量生産で、一つひとつ手作りされるチョコレートは、機械で大量生産されるものよりもコストがかかります。

熟練のショコラティエが、手作業で丁寧に作り上げるチョコレートは、細部にまでこだわり抜かれています。例えば、チョコレートのコーティングの薄さや、ガナッシュの口どけの良さ、ナッツのロースト加減など、細かい技術が詰め込まれています。

このような繊細な作業には時間と労力が必要なため、その分価格も高くなるのです。

特に海外の高級チョコレートブランドの製品には、輸送や保存にかかるコストも加わります。

チョコレートは温度や湿度に敏感な食品であり、輸送中の管理が非常に重要です。適切な温度で輸送しなければ、チョコレートの品質が損なわれてしまいます。そのため、特別な冷蔵設備を使った輸送や、丁寧な梱包が必要になります。

また、高級チョコレートの多くは添加物を極力使わず、新鮮な状態で提供するため、賞味期限が短いものもあります。そのため、適切な保存環境を維持するコストが価格に反映されているのです。

高級チョコレートブランドは、単なるお菓子ではなく、「特別な体験」を提供しています。

例えば、高級ホテルやラグジュアリーブランドが手掛けるチョコレートは、味だけでなく、店舗の立地やインテリア、パッケージデザイン、接客など、すべてにこだわり抜かれています。

店舗に足を踏み入れると、上質な接客を受け、美しくディスプレイされたチョコレートが並び、洗練された空間で購入できる――これ自体が「贅沢な体験」となるのです。

また、高級ブランドのパッケージはデザイン性が高く、贈り物としての価値も重視されています。こうしたブランディングにかかるコストも、商品の価格に反映されているのです。

最近では、チョコレートの価格上昇がさらに進む可能性があります。

2023年秋から、カカオ豆の国際価格が高騰しており、その影響でチョコレートの値段も上がっています。カカオの主要生産国であるコートジボワールやガーナでは不作が続き、カカオの供給量が減少しているため、価格が高騰しているのです。

さらに、乳製品や果物、ナッツなどの原材料費や輸送コストも上昇しており、今後数年間は高級チョコレートだけでなく、一般的なチョコレートも値上がりする見込みです。

高級チョコレートが高い理由は、厳選された原材料、手作りの技術、輸送コスト、ブランドの世界観といった多くの要素が関係しています。

単なる「お菓子」ではなく、贅沢な時間や特別な体験を提供するものとして、多くの人々を魅了しているのです。

バレンタインの季節に、高級チョコレートの価格に驚くことがあっても、その背景にあるストーリーを知ることで、その価値をより深く味わうことができるかもしれません。