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中居正広、芸能界引退の波紋――「土曜な会」終了で絵本シリーズも幕引きへ

中居正広、芸能界引退の波紋――「土曜な会」終了で絵本シリーズも幕引きへ コラム

元タレントの中居正広氏(52)の芸能界引退が、テレビ業界に大きな影響を与えている。特に、彼が司会を務めていたテレビ朝日の情報番組「中居正広の土曜日な会」の終了は、多くのファンにとって衝撃的な出来事だった。その余波は、番組から生まれた絵本シリーズにも及び、続編の制作が消滅することとなった。

中居正広、芸能界引退の波紋――「土曜な会」終了で絵本シリーズも幕引きへ

「土曜な会」終了で新番組がスタート

「中居正広の土曜日な会」は2019年にスタートし、番組タイトルや放送時間を変えながらも5年近くにわたり放送されてきた。しかし、中居氏に関する女性トラブルの報道が影響し、昨年12月21日の放送を最後に、今年1月22日をもって正式に打ち切られた。そして、テレビ朝日は3月6日、4月からの後番組として「ワイド!スクランブル サタデー」を放送することを発表。司会は、松尾由美子アナウンサー(入社24年目)と菅原知弘アナウンサー(同16年目)が務めることとなった。

一方で、「土曜な会」は、単なる情報番組にとどまらず、中居氏が関与した絵本シリーズの誕生という文化的な側面も持っていた。この番組が終了することで、その絵本シリーズの継続も途絶えることとなる。

番組発の絵本シリーズも終了へ

「中居正広の土曜日な会」では、番組企画として4冊の絵本が制作された。中居氏は、第1弾『♪ピンポンパンポンプー』(2020年)の監修を担当し、第2弾『パリン グリン ドーン』(2022年)および第3弾『Wピース なさいくん』(2024年)、第4弾『Wピース のんちゃんびりーくん』(2024年)では監修に加え、キャラクターデザインにも関わった。

このシリーズには、中居氏とともに番組の準レギュラーだった劇団ひとり、そして社会学者で作家の古市憲寿氏も参加。劇団ひとりがキャラクターデザイン、古市氏が文を手掛け、独特な世界観を持つ絵本シリーズを生み出した。

特に2024年に発売された2冊、『Wピース なさいくん』と『Wピース のんちゃんびりーくん』では、過去作にも登場したカピバラの「のんちゃん」と「びりーくん」、そして緑色の不思議な存在「なさいくん」が再登場する。物語は、体調が優れない「なさいくん」を心配する「のんちゃん」と「びりーくん」が、次々と異変に巻き込まれ、やがて地球最後の日が訪れるかもしれないという壮大な展開となっている。このストーリーは、一本の絵を異なる視点で見る「なさいくん目線」と「のんちゃんびりーくん目線」の2つの物語が交錯する仕掛けになっており、子ども向けながらも奥深いテーマを含んでいる。

ある都内の書店関係者は、「中居氏の私生活とは無関係な内容だが、今になって読み返すと非常に意味深な展開に感じる」と語る。中居氏自身の芸能界引退と重ね合わせると、どこか象徴的なストーリーのようにも思えてしまうのかもしれない。

ネットでの評価と惜しまれるシリーズの終焉

中居氏が関与した絵本シリーズは、ネット上でも高く評価されている。特に『パリン グリン ドーン』は、「壮大なストーリーで感動した」「絵のスタイルが可愛い」「孫にプレゼントした」など、子どもだけでなく大人にも響く作品として人気を集めた。

これらの絵本は、単なる番組企画の一環という枠を超え、長く愛されるシリーズとなる可能性を秘めていた。しかし、「土曜な会」の終了とともに、この絵本シリーズの続編も期待できなくなったことは、ファンにとって残念なニュースだ。