TBS系ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の第7話(3月7日放送)では、広瀬すず演じる主人公・心麦が松山ケンイチ演じる松風とともにカフェを訪れるシーンが話題となりました。その中での“クリームソーダ”にまつわる発言がSNSなどで話題になっているのです。
心麦が思い出した記憶とは?クリームソーダの謎
この回では、心麦と松風が春生(リリー・フランキー)の手紙に記されていた産婦人科医・阿波山(井上肇)と助産師・高畑(大島蓉子)を訪ねる展開が描かれています。
阿波山の元へ向かう途中、心麦は黄色い外観のカフェを目にし、何かを思い出すような表情を浮かべる。そして、阿波山との対面で、自身が林川歌であったこと、さらに、津寺井(鳥谷宏之)から守るために赤沢(藤本隆宏)と協力し出生証明書を改ざんし、春生の娘として育てられたことを知ることに。衝撃的な事実を聞かされた心麦は、大きなショックを受けるのです。
その帰り道、心麦は「あのカフェに寄ってクリームソーダがあるか確かめたい」と。そして実際にカフェでクリームソーダを口にし、「これ、注射のご褒美に飲んだ気がします」と発言。これに対し松風が「よく覚えてるね」と返すと、心麦は「ってことはやっぱり私は、林川歌なんですかね…」とつぶやく、という展開。
視聴者の混乱「クリームソーダの記憶はいつのもの?」
心麦は生後半年で事件に巻き込まれ、その後、赤沢と阿波山の手によって“山下心麦”としての人生を歩むこととなったことが明らかになりました。この流れを考えれば、心麦が「注射のご褒美にクリームソーダを飲んだ記憶がある」という発言に疑問を抱くのは自然なことでしょう。
予防接種を受けた可能性があるとはいえ、生後半年の赤ん坊がクリームソーダを飲むのは考えにくい。ある程度成長した後の記憶だとすれば、その頃の心麦はすでに「山下心麦」として生活していたはず。しかし、それならば「やっぱり私は林川歌なんですかね…」という発言は矛盾しているようにも思える、という意見。
こうした点に、ネット上では「クリームソーダのくだりだけよく分からなかった」「クリームソーダを飲んだのは何歳の時?」「心麦として生活していたのなら、なんで『私は林川歌』という確信に繋がるの?」といった疑問の声が相次いだのです。
「おかしな描写ではない」との意見も…解釈の違い?
一方で、このシーンに違和感を抱かなかった視聴者も少なくなかったのも事実。ある視聴者は、「予防接種は小学生くらいまであるし、未就学児の頃の記憶が残っていてもおかしくはない」と指摘。
また、「阿波山夫妻が心麦を“心麦ちゃん”と呼んでいたことからも、出生届改ざん時だけでなく、ある程度の期間、彼らの元で育てられていた可能性が高い」との考えも。
さらに、「クリームソーダの記憶が“縁もゆかりもない土地”でのものだったからこそ、林川歌であることを確信したのでは?」という見方もあります。
つまり、心麦にとって、そのカフェの記憶が“本来の自分”と繋がる重要な手がかりとなったという解釈なんですね。
正直、心麦が「羨ましい」と言って見ていた家族が赤ちゃん連れで、しかも泣いている赤ちゃんにクリームソーダと発言していたシーンが無ければ、私もそう思っていたのです。
単純に「クリームソーダが飲めるような年齢になってからの、少なくとも3~4歳の頃の記憶では?」と。
だけど、このシーンを見て、「ええ?やっぱり赤ちゃんの頃の記憶?赤ちゃんにクリームソーダを飲ませるの?」と疑問に思ってしまったんですよね。
もしかしたら、ここで、視聴者に疑問を植え付けるのも、「産婦人科で予防接種を受けるのは赤ちゃんの頃」と思わせるのも、制作側が意図したものかもしれません。
そんなことを考えてしまうほど、考察が難しいドラマと言えるでしょう。
謎が深まる心麦の記憶と物語の行方
今回の「クリームソーダ」発言が生まれた背景には、心麦の記憶が曖昧になっていることが関係している可能性があります。物語全体を通しても、彼女の記憶は断片的であり、それが彼女自身のアイデンティティの揺らぎを表現しているのかもしれません。
視聴者の間では意見が分かれたものの、心麦の「やっぱり私は、林川歌なんですかね…」という言葉が、今後どのように物語に影響を及ぼしていくのかが気になるところ。
『クジャクのダンス、誰が見た?』は、回を追うごとにますます謎が深まり、視聴者の考察を誘う展開となっています。次回の放送では、赤沢がなぜ産院に火をつけたのか?院長はどうなった?また、心麦の記憶のピースがさらに埋まるのか、それとも新たな謎が生まれるのか、注目が集まります。