「あんぱん」8年ぶりの帰還──母の突然の宣言に家族全員が凍りつく!
ドラマ「あんぱん」の最新話で、視聴者を震撼させる衝撃展開が描かれました。長らく音信不通だった母・登美子(演:松嶋菜々子)が、実に8年ぶりに家族のもとに突如帰還。平穏な再会ムードから一転、家族全員を凍りつかせるような一言を放ち、視聴者の間にも波紋が広がっています。
穏やかな再会から一転、息子の進路を勝手に決定
登美子はまず、息子・嵩の描いた漫画を褒めるなど、母親らしい姿を見せ、久しぶりの再会には温かい空気が漂っていました。ところが、弟・千尋が医師の道を諦めて法律家を目指すと語った瞬間、空気は一変します。
登美子は何の前触れもなく、「じゃあ、嵩が代わりに医者になる」と断言。まるで家族の意志や希望など存在しないかのように、独断で息子の未来を決めてしまったのです。この発言には、当の嵩も目を見開いて絶句。父親や弟も言葉を失い、場の空気は一瞬にして凍りつきました。
視聴者の怒り爆発「なに言ってんだ!」の声が殺到
放送直後からSNSでは「何を言っているんだ」「図々しすぎる」と怒りの声が殺到。長年家族を放置しておきながら、まるで何事もなかったかのように家庭に戻り、しかも子どもの将来を勝手に決める登美子の振る舞いに、視聴者は呆然とした様子を見せています。
一方で、登美子を演じる松嶋菜々子の演技には称賛の声も。「冷たく、身勝手な女性を見事に演じ切っている」「彼女にしかできない役」といった評価が多数寄せられており、その演技力が物語のリアリティをさらに際立たせています。
今日の、戸田菜穂さんとの演技バトルは、素晴らしかったですよね。
モデルとなった実在の母・登喜子さんの姿
ドラマの登美子のキャラクターは、アンパンマンの作者・やなせたかし(本名:柳瀬嵩)の実母、登喜子さんがモデルとなっています。実際の彼女の人生もまた、波瀾に満ちていました。
登喜子さんは高知県香北町の名家に生まれ、最初の結婚を経て離婚し、その後、やなせたかしの父・清さんと再婚します。1923年、清さんが上海へ赴任する際に、二人の子どもを連れて高知に戻った登喜子さん。その後の生活は、華やかさと影のある複雑なものでした。
「目立ちすぎた母」——華やかさと孤立のはざまで
登喜子さんはいつも化粧をし、香水を身にまとい、着物姿で街を歩くその姿は、地方ではあまりに目立ちすぎていました。周囲の評判は芳しくなく、常に噂や陰口が絶えませんでした。しかし嵩少年にとって、母は自慢の存在。香水の香りや映画に連れて行ってもらった思い出は、彼の心に深く刻まれていました。
「捨てられた」とささやかれながらも、母を待ち続けた少年時代
嵩が小学2年生の頃、登喜子さんは東京の官僚と再婚。病気を理由に嵩を伯父夫妻に預けた後、振り返ることなく去っていきます。白いパラソルを差し、艶やかな着物をまとったまま、陽光の中へ消えていった母の背中。その姿は、少年の記憶に強く焼き付きました。
地域の人々は「あの母親に捨てられた」と陰口をたたき、嵩に同情の言葉を投げかけました。だが彼は、病気が治れば母が迎えに来てくれると信じ、冷水で体を拭いたり、風邪をひくなど、自らを痛めつけることで母の帰還を願い続けたのです。
母を恨まなかったやなせたかしの想い
どれほど時が過ぎても、母は帰ってきませんでした。後にやなせは「母は自分を捨てた」と悟りながらも、「それでも母を恨む気持ちは湧かなかった」と語っています。母の華やかさ、社交性、そしてどこか孤独を背負った姿。そんな登喜子さんの存在は、やなせたかしの感性に大きな影響を与えたに違いありません。
現代にも通じる母と子の複雑な関係
ドラマ「あんぱん」の中で描かれる登美子の姿は、一見するとフィクションのようですが、その裏には実在の母と息子のリアルな歴史が存在しています。長年の空白を埋めるには、単なる言葉や一時の行動では足りないという現実。そして、母に捨てられてもなお、愛を求め続ける子どもの純粋な想い。これは、今を生きる私たちにも通じる、親子の普遍的なテーマを浮き彫りにしています。