朝ドラ「あんぱん」のパン職人・竹谷光司さんとは?阿部サダヲへの製パン指導も話題
ドラマ「あんぱん」を見ていると、ヤムおじさんが作っているあんぱんが、美味しそうで、何とかして食べられないか、と思ってしまいます。
「どこかで売っているのかな?」「近くだったら買いに行きたい」と思っていたら、千葉県佐倉市でベーカリーを営む77歳のパン職人・竹谷光司さんが作っている、とのこと。
しかも、阿部サダヲさんにパンを作る指導もされた、という情報を見つけました。
以下に、その内容をまとめますね。
現在放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」では、登場人物たちが手にするあんパンが、物語の重要な要素となっています。
このあんパンを実際に作っているのは、千葉県佐倉市でベーカリーを営む77歳のパン職人・竹谷光司さんです。俳優・阿部サダヲさんへの製パン指導も担当した竹谷さんは、パン業界でも異色の経歴を持ち、現在は地域活性化や若者支援にも取り組んでいます。
この記事では、竹谷光司さんの歩みやドラマ制作の舞台裏、そしてパンを通じた地域や人とのつながりについて、詳しくご紹介します。
朝ドラ「あんぱん」とパンの物語性
NHKの朝ドラ「あんぱん」は、人気キャラクター「アンパンマン」の生みの親である漫画家・やなせたかしさんとその妻・やなせ暢さんの実話をもとにした物語です。作中では、あんパンが象徴的に登場し、「希望」や「やさしさ」を体現するアイテムとして描かれています。
パンがただの食べ物としてではなく、人の心をつなぐ存在として扱われる点に、多くの視聴者が共感し、注目が集まっています。そして、そのパンを実際に作っているのが竹谷光司さんなのです。
竹谷光司さんの経歴と職人としての歩み
竹谷さんは、北海道室蘭市で豆腐店を営む家庭に生まれ育ちました。北海道大学水産学部を卒業後、製パン業界へ進むという異色の経歴を持ちます。最初は大手製パン会社に入社しましたが、本格的にパンを学ぶために約1年で退職し、西ドイツ(現在のドイツ)へ単身渡航。3年間にわたり、本場のパン作りを徹底的に学びました。
帰国後は大手製粉会社に入社し、小麦粉の研究や開発に携わりました。62歳で定年を迎えた後、自身の夢だったベーカリー開業を果たし、2010年に千葉県佐倉市にて「Bakery&Cafe TSUMUGI(つむぎ)」の前身となる店舗をオープンさせました。
TSUMUGIベーカリーと「あんぱん」のこだわり
現在のTSUMUGIベーカリーでは、ドイツパンやフランスパンを含め、約70種類のパンを販売しています。その中でもドラマで注目されているのが「粒あんぱん」(税抜き230円)です。
このあんパンは、北海道産とカナダ産の高品質な小麦を独自にブレンドし、生地の中には北海道産小豆を使用した自家製の粒あんがたっぷり詰められています。素材と製法にこだわったこの一品は、ドラマの放送開始以降、連日売り切れとなるほどの人気ぶりを見せています。
ドラマのために再現されたパンたち
NHKからの依頼を受けたのは、2023年6月頃。竹谷さんが以前、日本パン技術研究所でパンの歴史を教えていたことがきっかけで、ドラマの製パン監修を任されることになりました。
竹谷さんは、ドラマ内に登場するコッペパンや、戦前・戦後の物資不足の時代を象徴する「美味しくなさそうなパン」の再現も担当しました。これらは視覚的にも物語の時代背景を伝える重要な要素として扱われています。作る側としては、不本意ながら味を落とす必要もあったといい、制作チームとのやりとりを重ねながらも要望に応えた竹谷さんのプロ意識が垣間見えます。
阿部サダヲさんへのパン作り指導の舞台裏
主演を務める阿部サダヲさんは、パン職人役を演じるにあたり、竹谷さんから直接製パン指導を受けました。竹谷さんは「阿部さんは動きを完璧に再現していて、本当に驚いた」と語っており、俳優としての吸収力や再現力を高く評価しています。
撮影現場では、パン生地の扱いや捏ね方、成形のタイミングなど、実際の職人の動作を細かく指導。視聴者が「本当にパン職人に見える」と感じるリアリティは、こうした裏側の努力によって生まれていたのです。
ドラマの影響とTSUMUGIベーカリーの“聖地化”
ドラマ放送開始後、TSUMUGIベーカリーにはこれまでの2倍以上の来客が押し寄せ、特にあんパンは午前中で売り切れる日も珍しくありません。SNSでも「ドラマに出てきたパンが買える」と話題になり、週末には遠方からの来店も増えているとのことです。
京成ユーカリが丘駅の駅ビル内にある店舗は、いまや「朝ドラの聖地」として、多くのドラマファンの巡礼スポットになっています。
パンを通じた未来への思い
竹谷さんは、現在高齢のパン職人と、パン屋を開業したい若者をマッチングさせる活動にも力を入れています。パン業界の未来を憂い、技術や知識を継承していきたいという思いから始まったこの活動は、多くの人々に影響を与えています。
「もっとおいしいパンが作れる」と語る竹谷さんの目には、まだまだ前を向く情熱が宿っています。日本人の味覚に合うパン、日本産小麦を活かした商品開発など、今後もその挑戦は続きます。
まとめ
NHK朝ドラ「あんぱん」の裏側で活躍するパン職人・竹谷光司さんの存在は、ドラマのリアリティを支える重要な柱となっています。俳優への指導、時代背景に合わせた再現パンの制作、そして店舗運営に至るまで、竹谷さんの情熱と職人魂は多くの人の心を動かしています。
ドラマと現実がリンクすることで生まれる感動や、パンを通じた世代間のつながりに、これからも注目が集まりそうです。
FAQ
Q1. NHK朝ドラ「あんぱん」のパンは実在するのですか?
はい、千葉県佐倉市のベーカリー「TSUMUGI」で実際に販売されており、特に粒あんパンが連日売り切れになるほどの人気となっています。
Q2. パン職人・竹谷光司さんはどんな人物ですか?
北海道出身で、ドイツ留学の後、大手製粉会社で研究職を経験し、定年後に念願のベーカリーを開業したベテランパン職人です。
Q3. 阿部サダヲさんはどのような指導を受けたのですか?
パン職人の動作やパン作りの手順について、竹谷さんから直接指導を受け、リアルな演技が可能になったとされています。
Q4. ドラマ内の「戦時中のパン」とは何ですか?
戦前~戦後直後の物資不足時代を表現するために、味を落とした再現パンが制作され、物語にリアリティを加えています。
Q5. TSUMUGIベーカリーはどこにありますか?
千葉県佐倉市の京成ユーカリが丘駅の駅ビル内にあります。営業時間は午前8時30分から午後7時まで、日・月曜は定休日です。
情報元:朝ドラ「あんぱん」のパン作る職人 お店のあんパンは連日売り切れ