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一穂ミチ著『光のとこにいてね』は秋の夜長の読書にピッタリ!

光のとこにいてね By 一穂 ミチ 本の紹介

心が震えるほどの純愛物語『光のとこにいてね』

みなさん、こんにちは! 最近、何か心が揺さぶられるような、本の世界にどっぷり浸かる体験をしましたか?

もし「最近、感動してないな…」なんて思っていたら、ぜひ聞いてください!今日は、私が最近読んだ本の中で、もうダントツで心に残っている、めちゃくちゃ感動的な一冊を、熱量たっぷりに紹介させてください!

その本の名前は、一穂ミチさんの『光のとこにいてね』

2023年の本屋大賞で2位に輝いたこの作品、ただの話題作というだけでは片付けられません。読み終わった後、しばらく放心状態になってしまうほどの、強烈な余韻を残す物語でした。この感動を誰かと分かち合いたくて、今日はPCに向かっています!


書籍の基本情報

まずは基本情報からですね!

  • 本のタイトル: 光のとこにいてね
  • 著者名: 一穂 ミチ
  • ジャンル: 文芸・小説
  • 受賞歴など: 2023年本屋大賞 第2位

心を掴んで離さない、その物語とは?

この物語の主人公は、二人の少女です。

古びた団地の一室で、少し風変わりな母親と二人で暮らす「果遠(かのん)」。どこか達観していて、大人びた雰囲気を持つ彼女は、同年代の子供たちとは一線を画す存在です。

光のとこにいてね By 一穂 ミチ

一方、同じ団地の近くにある豪華な一戸建てに住む「結珠(ゆず)」。裕福な家庭で何不自由なく育っているように見えますが、実際は教育熱心な母親からの過剰な期待となぜか愛情を感じさせない母親の態度に息苦しさを感じ、心の中に満たされない何かを抱えています。

光のとこにいてね By 一穂 ミチ

この二人が出会ったのは、7歳の夏。それは、まるで磁石のS極とN極が引き合うような、運命的な出会いでした。住む世界も、家庭環境も、性格も、なにもかもが正反対。だからこそ、二人は互いが持っていないものに強く、どうしようもなく惹かれ合います。

団地の公園で隠れて遊ぶうちに、短い時間の中で、二人は急速に距離を縮め、誰にも言えない秘密を共有し、魂の片割れを見つけたかのような、特別な絆を生んでいました。

しかし、運命は残酷です。ある悲しい出来事がきっかけで、二人は突然引き裂かれ、離れ離れになってしまいます。

物語は、そんな二人が7歳、15歳、そして29歳と、人生の重要な節目で再会と別れを繰り返しながら、四半世紀という長い時間をかけて紡がれる、愛の軌跡を描いています。

それは、友情や恋愛といった単純な言葉では到底言い表せない、もっと根源的で、純粋で、そしてあまりにも切ない関係性の物語なのです。


【ネタバレなし】涙と感動の感想レビュー

「もう、とにかく読んでください!」

もしこの本の感想を一言で言うなら、本当にこれに尽きます。読みながら、何度胸が締め付けられ、何度「どうか、この二人が幸せになりますように」と祈ったことか分かりません。

まず何よりも素晴らしいのが、一穂ミチさんの圧倒的な筆力です。文章が本当に詩的で美しい。夏の団地の気だるい空気、子供時代に感じた世界のきらめき、張り詰めた思春期の危うさ、そして大人になってからのままならなさ。その情景や登場人物たちの繊細な感情が、まるで目の前で起こっているかのように、鮮やかに心に流れ込んできます。

結珠と果遠、二人のキャラクター造形も本当に見事です。恵まれているはずなのに、常に何かを渇望している結珠。何も持っていないように見えて、強烈な光を放つ果遠。二人の視点が交互に語られることで、お互いがお互いをどれほど特別に想っているか、その切実さがひしひしと伝わってきます。

特に心に残っているのは、二人の間に流れる「共依存」とも言えるほどの強い結びつきの描き方です。「あなたがいれば、他に何もいらない」というような危うさを持ちながらも、その関係性はどこまでも純粋で、汚れのないものに感じられるのです。お互いを想いすぎるがゆえにすれ違い、傷つけ合ってしまう。そのもどかしさに、読んでいて胸が張り裂けそうになりました。

この物語は、ただの感動的なお話ではありません。格差社会、家庭環境の問題(いわゆる毒親)、人の心の脆さといった、現代社会が抱えるシリアスなテーマも物語の根底に流れています。そうした厳しい現実の中で、それでも一筋の光を求めて懸命に生きる二人の姿は、私たちの心に強く何かを問いかけてくるはずです。

ラストシーンを読み終えたとき、私は静かに本を閉じ、しばらく天井を見つめていました。悲しいとか、嬉しいとか、そういう単純な感情ではなく、様々な想いが渦巻いて、ただただ涙が溢れてきました。この物語は、間違いなく私の心に深く刻み込まれ、一生忘れることのない一冊になりました。


この本は、こんなあなたに読んでほしい!

この『光のとこにいてね』がどんな人におすすめか、考えてみました!

  • 感動的な物語で、心の底から泣きたい人
    • これはもう間違いありません。涙活したい方には全力でおすすめします。ハンカチではなく、タオルを用意して読んでください。物語の世界に没入すればするほど、涙腺が崩壊すること間違いなしです。
  • 人と人の深い繋がりを描いた物語が好きな人
    • 恋愛、友情、家族愛…この物語は、そういった既存のカテゴリには収まりきらない、もっと大きな「魂の結びつき」を描いています。唯一無二の関係性に心を揺さぶられたいあなたに、ぜひ読んでほしいです。
  • 美しい日本語、美しい文章の世界に浸りたい人
    • 一穂ミチさんの言葉選びのセンスは本当に素晴らしいです。一文一文をじっくりと味わいながら読みたい、そんな文学好きの方にも自信をもっておすすめできます。読書そのものの喜びを再確認させてくれる一冊です。
  • ままならない現実に、少し疲れてしまった人
    • この物語は決して甘いだけではありません。理不尽な現実や、どうしようもない運命も描かれます。それでも、その中に確かにある光や希望を見出そうとする二人の姿は、明日を生きるための小さな勇気をくれるはずです。

評価は、もちろん…

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(5/5)

文句なしの満点です! 切なさ、愛おしさ、もどかしさ、喜び、悲しみ…人間のあらゆる感情を揺さぶられました。読み終わった後、自分の周りにいる大切な人のことを、いつもより少しだけ強く想うようになる、そんな魔法のような一冊です。2023年の本屋大賞2位というのも、納得しかありません。


著者の「一穂ミチ」さんって、どんな人?

 

ここで、この素晴らしい物語を生み出した著者、一穂ミチ(いちほ みち)さんについても少しご紹介させてください。

一穂さんは、もともとBL(ボーイズラブ)小説の世界で絶大な人気を誇る作家さんでした。その頃から、登場人物たちの繊細な心理描写や、関係性の深い掘り下げには定評がありました。

その後、一般文芸の世界でも活躍の場を広げ、短編集『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞を受賞。この作品で、一穂さんの名前を知った方も多いのではないでしょうか。そして記憶に新しいのが、2024年に『ツミデミック』で見事、直木賞を受賞されたことです。今、最も勢いのある作家さんの一人と言っても過言ではありません。

一穂さんの作品に共通しているのは、社会の片隅で生きる人々や、ままならない人生を送る人々に、優しい眼差しを向けている点です。BLというジャンルで培われた「性と愛、関係性の多様性」を描く視点が、一般文芸のフィールドでも見事に花開き、多くの読者の心を掴んでいます。


まとめ:光を求め続けた二人の物語

長くなってしまいましたが、私の熱い想いは伝わりましたでしょうか?

『光のとこにいてね』は、ただの少女たちの物語ではありません。人生の様々な局面で、誰もが感じるであろう孤独や渇望、そして誰かを強く想う気持ちの尊さを、改めて教えてくれる作品です。

結珠と果遠、二人がお互いに向けた「光のとこにいてね」という願い。その言葉の意味を、ぜひ物語を通して感じ取ってみてください。

読書の秋、いえ、季節を問わず、あなたの本棚にずっと置いておきたくなるような、特別な一冊になるはずです。気になった方は、ぜひお近くの書店やオンラインで探してみてくださいね!