『サマーウォーズ』ってどんな映画?
まず『サマーウォーズ』のざっくりした内容から。主人公は、ちょっと気弱な高校2年生・小磯健二。彼が憧れている先輩・篠原夏希から突然「一緒に実家に来てほしい」と頼まれ、なぜか彼氏のふりをすることになります。舞台は長野県上田市の旧家・陣内家。そこで待っていたのは、めちゃくちゃ人数の多い大家族と、ネット上の仮想空間「OZ」を襲う人工知能ラブマシーンとの壮大な戦いでした。
細田守監督によるこの作品、家族の絆や青春のひと夏、そしてインターネット社会の危うさなど、今の時代にも刺さるテーマが詰まっています。そしてこの物語を彩った声優陣も、今ではみんな立派なキャリアを積んでいるんです。
神木隆之介:あの名セリフ「よろしくお願いしまあああああす!」の進化形
まずは健二を演じた神木隆之介さん。当時16歳で、すでに子役としてのキャリアもありましたが、この作品での健二役がとにかくハマってました。何といっても、あの「よろしくお願いしまあああああす!」の叫びは、もはや伝説級。SNSでも毎年放送のたびに話題になりますよね。
その後も神木さんは、俳優・声優として大活躍。2016年には『君の名は。』で主人公・立花瀧を演じ、声優アワード主演男優賞を受賞。映画は国内歴代興収3位の大ヒットに。2023年には『ゴジラ‐1.0』で主演を務め、同作がアカデミー視覚効果賞を獲得したことでも話題になりました。
そして2021年には、16年間所属していたアミューズから新会社「Co‐LaVo(コラボ)」へ移籍。俳優として新しいステージに進んでいる神木さん、今後の活躍も目が離せません。
桜庭ななみ改め宮内ひとみ:ヒロイン夏希役の意外な現在
続いて、夏希役を演じたのが桜庭ななみさん。当時は17歳で、神木さんと同じく高校生でした。『サマーウォーズ』が声優初挑戦で、しかもいきなりヒロイン役という大抜てき!
その後、2010年の映画『最後の忠臣蔵』でヒロインに抜てきされ、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。順調に女優としての地位を築いていきました。そして2023年には、一般男性との結婚を発表。さらに名前も「宮内ひとみ」に改名し、新たなスタートを切っています。
メディア露出は以前より少なくなったものの、ナレーションやドラマ出演など、じっくりとキャリアを重ねている印象です。ファンからは「夏希ちゃんの声、今でも覚えてる!」という声も多く、根強い人気があります。
サマーウォーズの“その後”が気になるキャストたち
主役の2人以外にも、個性的なキャストが多かった『サマーウォーズ』。たとえば、陣内家のはとこ・池沢佳主馬役を演じたのは谷村美月さん。当時まだ10代ながら、その演技力には定評があり、現在も舞台や映画で幅広く活動中です。
また、栄おばあちゃんを演じた富司純子さんは、ベテラン女優として今も第一線で活躍中。最近では大河ドラマや時代劇にも出演しており、「まさに日本のお母さん」という存在感を放ち続けています。
ちょっと意外なところでは、お笑い芸人の横川貴大(当時は声優初挑戦)や、格闘家の須藤元気も出演していたんですよ。細田作品って、こういう意外性のあるキャスティングも魅力の一つですよね。
なぜ『サマーウォーズ』は今でも語られるのか?
16年経った今でも『サマーウォーズ』が話題になるのは、やっぱりそのテーマが時代に合ってるから。SNS社会の危うさとか、ネットに依存しすぎる怖さとか、まさに今の私たちのリアルな課題を予見していたような内容なんですよね。
それに、陣内家の家族愛や、おばあちゃんの一言でみんなが団結するシーンなど、「こんな家族っていいな」って思わせてくれる温かさも忘れられません。
細田守監督は、この作品を皮切りに『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』といったヒット作を連発。特に『竜とそばかすの姫』では、OZに似た仮想空間”U”が登場し、『サマーウォーズ』とのつながりを感じた人も多かったはずです。
まとめ:『サマーウォーズ』はキャストと一緒に進化してきた
こうして見ると、『サマーウォーズ』は作品自体も素晴らしいけど、キャストのその後の活躍があってこそ、今も語り継がれているんだなと感じます。神木隆之介さんや宮内ひとみさんをはじめ、あのときの“声”が、今でも私たちの記憶にしっかり残っているんですよね。
今回の金曜ロードショーで観る『サマーウォーズ』は、また一味違って感じられるかもしれません。あの頃の青春、家族との絆、そして何よりキャストたちの「今」を思いながら、ぜひ楽しんでください!