2025年7月、ある動画がSNSを中心に大きな波紋を呼びました。
それは、人気バンド・Mrs. GREEN APPLE(通称ミセス)とディズニーのコラボイベント中に発生した一幕。
ミセスファンの発言「ミッキー邪魔」が拡散され、瞬く間にネットトレンドを席巻。結果として、ミセスファンとディズニーファンの間に“代理戦争”とも呼べる対立が生まれました。
この記事では、なぜこのような騒動が起きたのか、その背景や社会的な意味を掘り下げながら、「推し活」が時に引き起こす熱狂と摩擦について考察していきます。
ミッキーを“邪魔”と呼んだ動画が火種に──きっかけはサプライズ登場
7月1日、東京ディズニーランド&シーで行われた特別イベントに、ミセスがサプライズ出演。彼らは現在、ディズニーリゾートの夏季キャンペーン『サマー・クールオフ』のテーマソングを担当しており、その関係での登場でした。
ミッキーマウスとミニーマウスと共にオープンカーに乗ったミセスの3人。突然の登場に会場は湧き上がりましたが、その直後、ある女性ファンの発言が物議を醸します。
「ミッキー邪魔!」──ミセスの姿を見ようと必死だったこの声は、たまたま撮影されていた動画の中に含まれており、SNSに投稿されたことで瞬く間に拡散。ファンの間で賛否を巻き起こし、翌日には「#ミッキー邪魔」がX(旧Twitter)のトレンド入りを果たしました。
ミセスファン vs ディズニーファン──SNSで勃発した代理戦争
この「ミッキー邪魔」発言に敏感に反応したのが、ディズニーファンたちです。彼らにとってミッキーは単なるキャラクターではなく、夢の国を象徴する存在。それを「邪魔」だと表現されることは、まるで神聖な領域を汚されたような感覚だったのでしょう。
SNSでは怒りや悲しみの声が噴出。
- 「ディズニーに来てミッキー邪魔って、どういう神経してるの?」
- 「ミセスのファンってこんな非常識なの?」
- 「そもそもアーティストとのコラボなんていらない」
この動きに対抗するかのように、今度は「#ミセス邪魔」というタグが登場。ミセスが『FNS歌謡祭 夏』に出演すると、ディズニーファンたちは怒りの矛先をさらに強めていきました。結果、X上では「推しのために戦う」両陣営による一種の“代理戦争”状態が展開されたのです。
誰も得しない争い──コラボの功罪とは?
本来、アーティストとブランドやテーマパークのコラボは、双方にとってメリットがあるはずです。話題性を生み、新しい層のファンを呼び込むことが期待されます。実際、ミセスのファンの多くがディズニーリゾートに足を運び、新たな経済効果も生んだことでしょう。
しかし今回は、その「異文化接触」が逆に摩擦を生む結果となってしまいました。
芸能ジャーナリストも指摘しています。
「ディズニーの世界観に“ミセス”は合わない、という声は当初からありました。IP(知的財産)のブランド力が高いディズニーにとって、異なる価値観の混入は炎上のリスクを伴います。」
これはディズニーファンの“こだわり”や“神聖視”が背景にあると同時に、ミセスファンの“熱狂的な応援”がぶつかった結果とも言えるでしょう。
推し活はどこまで許される?──境界線を考える
「推し活」という言葉が一般化した今、ファンによる応援行動は以前よりも日常化しています。しかしその一方で、ファンの“過剰な愛”が周囲と摩擦を起こすケースも増えています。
今回の件では、ディズニーという公共性の高い場所での“場の空気を読まない言動”が問題になりました。特定の“推し”を追い求めるあまり、他の存在を「邪魔」と切り捨ててしまうのは、健全な応援とは言えないのではないでしょうか。
また、SNS時代においては一瞬の言動が世界中に拡散されてしまうリスクがあります。たった一言がトレンド入りし、何千何万という人々の怒りを買う時代。ファンの側も、「推し活のリテラシー」を持つことが求められているのです。
あとがき
「ミッキー邪魔」騒動は、単なる言葉の炎上にとどまらず、現代の“推し文化”のあり方に一石を投じました。ミセスとディズニー、どちらのファンも、自分たちの“愛”が揺るがされると感じたからこそ、激しくぶつかってしまったのかもしれません。
しかし、その愛が誰かを傷つけたり、夢の場を壊してしまうようでは本末転倒です。
大切なのは、「自分の推しだけが正義」という視点ではなく、「他者の推しも尊重する心」。この騒動をきっかけに、推し活の“本来の楽しさ”を見つめ直してみる時期が来ているのかもしれません。
情報元:「ミッキー邪魔」入場者の拡散動画が物議…Mrs. GREEN APPLE ディズニーファンたちが“復讐”投稿で代理戦争状態に