TBS系連続ドラマ『御上先生』(日曜午後9時)の第8話が3月9日に放送され、視聴者の間である小道具が大きな話題となった。それは、岡田将生演じる槙野恭介の後輩・津吹隼人(櫻井海音)が病室で読んでいた一冊の本。その本が持つ意味や、過去の映画との繋がりが注目を集めている。
松坂桃李主演!『御上先生』とはどんなドラマ?
『御上先生』は、松坂桃李演じる御上孝(みかみ・たかし)が、教育の理想と現実の狭間で奮闘する姿を描いた作品だ。東大卒のエリート官僚である御上が、文部科学省の新制度「官僚派遣制度」によって、県内トップの東大合格者を誇る私立隣徳学院に教師として赴任。未来を夢見る子どもたちが、大人たちの権力に翻弄される現状に直面しながら、日本の教育を現場から変えようとする大逆転の教育再生ストーリーとなっている。
第8話の展開――津吹が病室で読んでいた本とは?
第7話では、槙野の後輩である文科省官僚・津吹隼人が倒れ、病院に運ばれる。出産間近の妻がいる津吹を心配した槙野は、「絶対に仕事に来るな」と釘を刺したが、MRI検査の結果、津吹は脳の血管が詰まりかけていることが判明。その手術日と妻の出産予定日が重なるという、重要な局面を迎えることとなる。
そんな中、第8話では御上が津吹の病室を訪れる。ベッドの上で本を読んでいた津吹は、御上の突然の訪問に驚きながらも喜ぶ。そして、御上が差し入れを持参し、久しぶりに楽しく会話を交わす。教員免許を持っている津吹は、御上が生徒たちに囲まれている姿を見て羨ましく思ったと語り、「御上さんの次があるなら(学校派遣に)行きたいかも」と口にする。それに対し、御上は「ぜひ。津吹向いていると思うし。まずは手術しっかり成功させて」と励ましの言葉を送った。
津吹が読んでいたのは『重力ピエロ』! 意外な繋がりにファン興奮
このシーンで津吹が手にしていた本は、小説家・伊坂幸太郎の2003年の作品『重力ピエロ』だった。本作は、仙台の街で発生する連続放火事件を巡るミステリーで、過去に辛い記憶を抱える兄弟・泉水と春が事件の謎解きに挑む物語だ。2009年には映画化され、春役を演じたのが岡田将生だった。
御上と津吹のやり取りが描かれた第8話の放送後、主演の松坂桃李がX(旧Twitter)で「御上が津吹の見舞いに行ったときに、津吹が読んでいた本は『重力ピエロ』。これは映画化されたときに岡田が出演していた作品です」と投稿。この言葉を受け、SNS上では驚きと称賛の声が次々と寄せられた。
SNSでの反響――細かい小ネタに感動の声!
視聴者の間では、この“仕掛け”に対する反響が大きく、「細かい小ネタが仕込まれてて面白い!」「『重力ピエロ』に岡田さんが出てたの、こういう繋がりがあると余計にグッとくるね!」といった感想が飛び交った。
さらに、病室のシーンにはもう一つの仕掛けがあった。それは、津吹の病室に『宇宙兄弟』が置かれていたことだ。松坂はXで「ちなみにこの病室には『宇宙兄弟』もありました」と補足。この情報に対して、「重力ピエロも宇宙兄弟も、岡田くんは男2人兄弟の弟役だった!」と気づいた視聴者が続出し、感動を呼んだ。
細部まで緻密な演出が光る『御上先生』の魅力
ドラマ『御上先生』は、教育という社会的なテーマを扱いながらも、細部にまでこだわった演出で視聴者を引き込んでいる。今回の『重力ピエロ』や『宇宙兄弟』の小道具のように、作品内に散りばめられた細やかな演出は、ドラマの世界観をより深く楽しむ要素となっている。
今後の展開に向けても、こうした細かな演出やキャスト同士の繋がりがどのように仕込まれていくのか、ますます注目が集まりそうだ。次回の放送ではどんな仕掛けが待っているのか、ファンの期待は高まるばかりだ。