映画「となりのトトロ」のトトロは何物?恐ろしい生き物なの?

トトロは怖いトロール? コラム

トトロの正体は北欧のトロール?その秘密に迫る

映画『となりのトトロ』は、スタジオジブリの代表作として、世界中で愛され続けています。その愛らしいキャラクター、トトロの正体については、多くの人々が気になっていることでしょう。しかし、そのルーツを辿ると、実は驚くべき真実が隠されているのです。

「となりのトトロ」の正体は?

トトロ=北欧神話のトロール?

映画の冒頭で、主人公のサツキが「トロルのこと?」と問いかける場面があります。この「トロル」とは、北欧神話に登場する妖精の一種であり、主に山や洞窟に住むとされています。トロールは、醜く、時に人間を捕食する危険な存在とされ、その姿は「デカくて怖い化物」として描かれてきました。宮崎駿監督がこのトロールをトトロのモデルにしたという説は、意外かもしれませんが、実はその背景には深い意味があるのです。

トロールからトトロへ:宮崎駿の創造力

宮崎監督は、この恐ろしいトロールを「優しくておおらかな生き物」として再解釈しました。彼の手にかかると、トロールはただの怖い妖怪ではなく、自然と共存する心優しい存在へと生まれ変わったのです。これは宮崎監督の独自の世界観が大きく反映された結果であり、トトロが多くの人々に愛されるキャラクターとなった理由の一つです。

となりのトトロのトトロはトロール?

宮沢賢治の影響:巨大な山猫から着想を得たトトロ

トトロのイメージは、北欧神話だけでなく、日本の童話作家である宮沢賢治の作品にも影響を受けています。宮崎監督は、宮沢賢治の作品「どんぐりと山猫」に対する著者の感想を述べており、特に山猫の描写が理解しがたく、自身のイメージとは異なる挿し絵に不満を抱いている、と述べています。山猫は巨大で呆然とした姿を持ち、小エピソードの中でどんぐりが動き回る様子を想像していたため、挿し絵の表現に違和感を抱えていた、というのです。

日本と北欧の文化が融合したキャラクター

トトロというキャラクターは、北欧のトロールという妖精と日本の童話に登場する山猫という異なるイメージが見事に融合した結果、誕生しました。この異文化の融合こそが、トトロの独自性を生み出し、多くの人々に親しまれる理由なのです。

トトロの存在意義とは?

トトロは、単なるキャラクター以上の存在です。それは、宮崎監督の自然に対する畏敬の念や、優しさに対する理想が込められた象徴でもあります。トロールという恐ろしい存在を基にしながらも、そのイメージを180度転換し、誰もが愛せる存在へと変貌させたトトロ。このキャラクターが持つ温かさと優しさは、作品全体のテーマである「自然との共生」とも深く結びついています。

まとめ

『となりのトトロ』に登場するトトロの正体は、北欧神話のトロールと日本の童話に登場する山猫が融合したキャラクターである可能性が高いです。しかし、宮崎駿監督の手によって、その恐ろしいイメージは一新され、優しくおおらかな存在へと変わりました。この背景を知ることで、トトロというキャラクターが持つ奥深さや、映画全体のテーマへの理解が一層深まることでしょう。『となりのトトロ』は、文化や時代を超えて愛され続ける作品であり、その魅力の一端には、トトロというキャラクターの独特な存在感があるのです。