ドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』が面白くて毎回楽しみに観てるんですが、8話は、まさに私自身が通ってきた道、という感じでした。
桜井ユキさん扮する二児の子育てに奮闘するマミコは、もともと企画開発部で小野忠(鈴木伸之さん)と同期だった女性。
がむしゃらに仕事一筋というタイプでは無いけれど、結婚してからも仕事と家庭の両立を頑張ってきた。
それは、子どもを生んでからも同じで、時短勤務はすれど、仕事は手を抜かずにきっちりとしてきたつもりだったけど・・・
育休と産休を続けて取った挙げ句に、再出社してからは時短勤務という立場では、さすがに居心地が良いわけはなく、自分から暇な備品管理課への移動を申し出た。
そこで、新社長に反感を買い、古巣の備品管理課に戻された、今田美桜さん扮する田中麻理鈴と出会うことになるんですよね。
今回ばかりは、かなり落ち込んでしまう麻理鈴でしたが、マミコの仕事への意欲に触発されて、本来の負けん気を発揮。
いやー、観ていて気持ちが良くなるタンカの切り方や、無邪気だけど、とことん相手の懐に入って闘う姿には、こちらも元気をもらいます。
江口のりこさん扮する峰岸さんが、要所要所で的確な言葉を投げかけ、麻理鈴のやる気を引き出していくところも痛快で。
例え方は悪いけど、T・Oさん(向井理さん)という人参を前にぶら下げて、麻理鈴を操っているみたいな感じかな?
いや、最初はそうだったかもしれないけど、今は結構同士のような気持ちで、麻理鈴の気持ちも尊重してくれているような気さえします。
「困ったときの小野忠」も、本当にいつもすぐに駆けつけてくれて、文句を言いながらも部下として、好きな女性として彼女を守ってくれるのに、キュンキュンしたり。
あっ、守ってくれると言えば、元清掃員で部下の山瀬くん(高橋文哉さん)も、小野さんにとっては恋敵。
山瀬くんは今どきの新入社員そのものだけど、暴走する麻理鈴にびっくりしながらも、常に見守ってくれていますよね。
と、楽しみながら観ていたんですが、今回の話は、本当に身につまされました。
実は私も、就職浪人の末、やっとのことで入った少しは名のしれた会社で10年も働いていたのですが、子どもができたため退社したんですよ。
このマミコさんと同じで、仕事は好きだったので、結婚後も働き、子どもが生まれてからも、産休を取って働いていました。
だけど、仕事に復帰するには、子どもを保育園にあずけるしか無く、その頃は無認可の保育園しか預けられなかったので、いろいろ調べて評判の良いところに、まだ赤ちゃんだった長男を預けて働いていたんです。
最初は、「家にずっと居ると社会から置き去りにされたみたいな気分だったけど、こうやって外に出て働くと、世界が広がるなー」と、新鮮な気持ちで働けたのですが、だんだん、息子を預けることに罪悪感を覚えるようになったんです。
幸い義理の両親は、私が働くことには肯定的だったけど、高齢だったのでイザという時に頼るのは無理だったんですよね。
「自分たちの子どもなんだから、親に頼れなくても何とかする」という気持ちで働いていたのですが、子どもってしょっちゅう熱を出したり、具合悪くなったりするので、その度に休むのも気が引けるし、仮に義理の両親に預けたとしても、心配で仕事が手につかなかったと思います。
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そんなこんなで、産休明け後、たった一年で仕事を辞めてしまったんです。
辞めたことに後悔は無かったけど、正直、どんな形でも良いから仕事は続けたかったんですよね。
その後、次男も生まれて、どんどん育児が大変になる中、「○○ちゃんのお母さん」以外の顔が無いことに不満を抱え、何とか家でできる翻訳の仕事でも無いものか?と探し始めたんです。
そう。
不器用で、育児と家事だけでアップアップしていたにも係わらず、「自分にも何かできるのでは?」と悪あがきしてたのかもしれません。
で、ひとつ良さそうな翻訳の仕事を見つけたので、長男の手を引いて、次男を抱っこして面接に行ったら、今までの職歴を聞かれる前に、「こんなこと言いたくないんですが、こんな可愛いお子さん二人も居て、働こうなんて考えないほうがいいですよ。」と。
担当者は初老の男性だったので、私のためを思って言ってくれたんだと思うのですが、なんかこう、ガーンと頭を殴られたような気がして。
なんだか、自分自身をも全否定されたような気がして、「子どもが居たら、働いちゃいけないんだ」とつぶやきながら、呆然としながら電車に乗って帰ったことが、今でも忘れられません。
「子どもができた時は、あんなに嬉しかったのに。」と家に帰ったら、涙が出てきて止まりませんでした。
「私は何のために働こうと思ったの?」と考えて、もし子どもを犠牲にしようとしているのなら、諦めるしか無いか、という結論になったんですよね。
まあ、その後も、なんだかんだもがきながら、仕事は続けていましたが・・・
家で働くことは、当時に比べたら小さな子どもが居る主婦でもしやすくはなったけど、フルタイムで働くことは、いまだに壁だらけ。
そういった意味では、何年経っても、子持ち女性の働き方って、あまり変わってないような気がします。
私達、子育てが終わった世代や、子どもが居ない方たちも含めて、「子育てと仕事の両立と環境の改善」について、真剣に考えないといけないと思いますね。